大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)60 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人吉森喜三郎、同鹿島恒雄、同中島勲の上告理由第一点について。

所論の上告人が山梨県下に疎開していて建物除却の事情を知らないかつたとの事

実は、原判決の確定しないところであるから、かかる事実を前提とする所論は採る

を得ないばかりでなく、原判決は上告人の妻が上告人に代つて第六次の強制疎開の

趣旨を暗黙に了承して建物及び借地権の代金支払を受けたものと認定している以上、

上告人個人の事情を主張して原判決の判断を非難することは有効な攻撃とはならな

いので、論旨は採用できない。

同第二点について。

原判決は、上告人の妻が上告人に代り強制疎開の趣旨を了承して建物及び借地権

の代金支払を受けたものと認定したこと、前論旨に対し説明したとおりであるから、

所論のように上告人自身が借地権消滅を承諾した理由が原判示中に見当らないから

といつて、原判決に所論の違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!